「やばい‥もう財布にお金が残ってない」
「昨日パチンコで大勝負しなきゃ良かった…」
「小銭入れに残ってるのは1円玉2枚のみ…」
俺はもうあかんわ…。
給料日までまだ2週間もあるのに残金たったの2円…。
どないして生きてくんだ俺…?
やっぱり昨日の会社帰りに寄ったパチンコ屋がアカんかった。
お金ないくせに一か八かの勝負をしたのがあかんかった。
あの時の俺はどうかしてたんや…。
残りの手持ちの5000円札を見た俺は「これを倍、いや5倍にして豪遊したるわ!」なんてしょーもない発想を持ってしまった。
これが俺の運の尽きやった…。
最初のパチンコ運はごっつ良かったんや…
パチンコ屋に入った俺。
なんかこの日は意味もなく「俺は今日ツイ取るわ」という自信があったんや。
なぜか「勝てる!俺は絶対に負けへん!」ってな訳わからん直感があったんや。
最初その直感は当たってたんや。
最初の10分で俺は当てまくった。
バンバン当たってた。
これで俺は給料日までの生活費を稼げた!ってガッツポーズをしてたんや。
でも、人間ってよく深いねん。
「今日は俺、絶対に負けへんわ」
なんてさらに自信ついちゃってもうてな。
生活費に残せばいい分をさらに調子乗って勝負してもうたんや。
そしたら、もうおもろいほどに玉が台に吸い込まれていくねん。
「これ、絶対おかしいやん!詐欺や!」ってなほどに吸い込まれていくねん。
さっきまでと全然違う。
人間、こんな状況になるとな、びっくりするような行動起こすんや。
「ふふーん。でも俺は絶対に負けへん」
なんて最初のイメージを引きずってしまうねんな…。
でも、世の中甘くなかったわ。
どんどん手持ちの玉が台に吸い込まれていき、結局俺はオケラになってもうたんや…。
頼みの銀行口座から引き出そうと…
スッカラカンになった俺は銀行口座の残高をスマホで確認した。
「582円‥」
これに手持ちの小銭入れの2円と合わせて584円が俺の全財産やった。
だがスッカラカン状態の俺にとって500円は尊い存在だった。
安い食パンやらを変えるお金だからやった。
でも、神は俺を見放した。
1000円未満の預金残高は引き出せんかったからや。
1000円札未満の小銭は口座から引き出せんかった。
俺に416円の現金があったら、それを預け入れて1000円札を引き出せたかもしれん。
でも、俺にはそんな小銭さえもなかった。
まさかの事態だった。
俺は正真正銘「給料日までたったの2円で過ごさなければいけない」男になってもうたんや。
クレジットカード使えばええやん!そう思たやろ?
手持ちの現金がない、預金口座にもないならクレジットカード使えばええやん!って思うやろ?
給料日にはちゃんとお金入ってくるなら、クレジットカードで糊口を凌げばええやん!って。
甘い。
非常に甘い。
なぜなら俺はブラックリストに載ってるからや。
俺はすべてのクレジットカード(といっても3枚やけど)を止められていた。
だってな、クレカって魔法の杖、いや打ち出の小槌やん?
あんな薄っぺらいカード一枚でどんどん買い物できるやん?
ついつい使ってまうやろ?あれ。
そんなこんなでカードを使いまくった俺はなんども「引き落とし不可」を繰り返したんや。
そしたらカード会社がガンガン電話してきてな。
「次、引き落としできない場合カードを返却していただきます」
なんて脅迫受けたんや。
んな、アホな。
おれはちゃんと給料もろてる会社員やで?ちゃんと返したるがな!
なんて強気に出てたらほんまにカードを止められてもうたんや…。
ってなわけで俺はクレジットカードで給料日まで生き延びる術を封じられたんや…。
メルカリで私物を売り捌く!のは
手持ちの金が尽きた俺は、私物を売ることを考えた。
部屋を見渡し売れるものを物色した。
やはり一番高いのはテレビだろうか…。
でも、このテレビは10年前に買った19型の小さいテレビだ。
こんなん買ってくれるやつがいるんかな?とは思いつつ、スマホで写真を撮ってメルカリに出品してみた。
1時間、2時間経った。
だれも買ってくれへん。
仕方なく価格を下げた。
なんと3980円や。
サンキュッパ。
これでやっと売れた。
おれのテレビがなんと3980円…。
でも背に腹は変えられへん。
だが、3980円は俺の懐には入ってけえへんかった。
メルカリへの手数料に送料が引かれておれには3000円しか入ってこなかった。
でも、仕方あらへん。
なんてったって俺は残金2円の男やから。
これで、なんとか給料日まで生きていけるかもしれへん…。
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